◎ 学名は「ワサビア・ジャポニカ」
わさびの歴史は古く、今から約1500年ほど前の飛鳥(あすか)時代の遺跡(いせき)から「委佐俾(わさび)」と書かれた木簡(もっかん)(文字が書いてある木の板)が出土しており、このころから利用されていたようです。また、平安時代に書かれた『本草和名(ほんそうわみょう)』<918年>という薬草辞典にも登場し、おもに薬草として用いられていたようです。
わさびを本格(ほんかく)的に栽培するようになったのは江戸時代の初期で、安倍川上流の有東木(うとうぎ)地区から栽培がはじまったといわれています。慶長(けいちょう)12年<1607年>に駿府城(すんぷじょう)に隠居(いんきょ)していた徳川家康にわさびを献上(けんじょう)したところ、家康はたいへん喜び、わさびを有東木(うとうぎ)から門外不出の御法度品(ごはっとひん)に定めたと言われます。刺身(さしみ)やすしにわさびをつけて食べる習慣(しゅうかん)は、江戸時代後期に広まっていきました。
静岡県の農業
わさびはアブラナ科の多年草(毎年、花をさかせる草)で、学名を「ワサビア・ジャポニカ」という日本特産の野菜です。かつては、九州から北海道まで、各地の清流に広く自生していたようです。