明治政府による新しい国づくり

 「税」の歴史をたどってみると、江戸時代までは年貢(ねんぐ)といって、米で「税」を納めていたよね。今はみんな当たり前のように、お金で「税」を納めているから、「税」のことを税金って呼ぶことが多いわね。このように、モノで「税」を納める方法から、お金で「税」を納める方法に大きく変わったのは、明治時代の地租改正からなの。どのように変わったか、江戸時代と地租改正後のしくみを比較してみてみましょう。

改正前(江戸時代) 改正後
収穫高 課税の基準 地価(土地の価格)
収穫高の40〜50% 税率 地価の3%
物納(村単位) 納税方法 金納(個人)
耕作者 納税者 土地所有者

 土地の所有者が、地価の3%を現金で納めるようになったんだね。納める税率が、たったの3%なら、農民の生活はさぞや楽になったことだろうね?

 それはどうかしら?次のページで、当時の農民の税負担について見てみようね。





 

明治時代を探るキーワード
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近代化に尽くした人々1 お札のデザインになった明治時代に活躍した人々
近代化に尽くした人々2
新しい政治の基本方針 ―五箇条の御誓文―
版籍奉還と廃藩置県
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古い身分制度の廃止 2 生活に困る士族
学制 1 寺子屋から小学校へ
学制 2 学校に通えない子どもたち
徴兵令 1 富国強兵と徴兵制度
徴兵令 2 徴兵制度と西南戦争
地租改正 1 米からお金へ
地租改正 2 地券を見てみよう
地租改正 3 税をお金で納めるようになった理由
殖産興業
文明開化
国会開設に向けて 1 士族の反乱や一揆の多発
国会開設に向けて 2 武力から言論へ
国会開設に向けて 3 憲法制定に向けて
国会開設に向けて 4 第1回衆議院選挙の様子
米からお金へ

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地租改正 その1

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