あすなろ学習室社会のページ経済島の大冒険経済ってなに?

経済島の大冒険 1 経済ってなに?
需要と供給
 市場経済では、モノやサービスの価格や量は、買いたい人が欲しい量と、売り手が売りたいと思う量のバランスで決まっていくんだ。買いたい人がほしい量のことを需要量(じゅようりょう:単に需要と呼ぶこともある)といい、売りたい人が売りたいと思う量を供給量(単に供給と呼ぶこともある)というんだ。
 売り手と買い手、それぞれの立場から価格と量の関係をグラフで表すと、次のようになる。



 これでは、価格も量もなかなか決まらないよ。売り手も買い手も納得する価格や量は、どうやったら決まるの?

 それは、上の二つのグラフを重ね合わせると見えてくるよ。右のグラフは、需要曲線と供給曲線を組み合わせたものだ。グラフを見てわかるとおり、二つの曲線が交差する点P1が、需要量と供給量が釣り合っている点だ。つまり、そこの価格が、売り手も買い手も納得する価格であると言えるね。そのときの価格を均衡価格と呼ぶんだ。
 需要量や供給量は、その時々で変化するから、時には供給量が需要量に追いつかなくて、価格が上昇したり、またその逆に、供給量が多すぎて価格が下落したりすることもあるけれど、そのうち均衡がとれて適正な価格に収まると言われる。こうした市場の働きのことを市場原理とか、「価格の自動調節機能」と呼ぶこともある。この仕組みを、理論的に説明した人物が、18世紀イギリスの経済学者であるアダム=スミスだ。
 しかし、この「価格の自動調節機能」が働かなくなることがある。それは、一部の企業によって市場が支配された場合だ。これを独占または寡占(かせん)と呼ぶ。次のページでは、市場経済をおびやかす独占について説明するね。
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