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遺伝の法則4
子では現れなかった方の親の形質が孫で再び現れる理由を考えてみよう。
 エンドウの種子の形を決める遺伝子には、形を丸くする遺伝子としわにする遺伝子があります。これらの遺伝子は1つずつ対になる染色体に含まれています。いま、種子を丸くする遺伝子をA、しわにする遺伝子をaとすると、遺伝子の持ち方は左図のようにAA、aa、Aaの3とおりがあります。
 一般に1つの形質を支配する遺伝子には強弱があり、強い方の遺伝子が1つでもあると、その遺伝子が決める形質が現れます。 
 種子の形を丸くする遺伝子Aは、しわにする遺伝子aよりも強いので、Aが1つでもあれば種子の形は丸くなります。

      したがって、 ・AAとAaは種子が丸くなる。 ・aaのみ種子がしわになる。
 対になる染色体は、減数分裂のとき必ず2つに分かれて別々の細胞に入ります。したがって、卵細胞や精細胞に含まれる種子の形を決める遺伝子は1つずつになります。
 つまり、 ・AAの個体はAが含まれた生殖細胞のみをつくる。
       ・aaの個体はaが含まれた生殖細胞のみをつくる。
       ・Aaの個体はAが含まれた生殖細胞とaが含まれた生殖細胞を1:1でつくる。
 卵細胞と精細胞が受精すると、細胞中には再び染色体の対ができます。したがって、1細胞に含まれる種子の形を決める遺伝子も2つに戻ります。
この決まりをもとに実験の結果を次のページでもう一度見てみよう。
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