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発展 卵と精子の役割
 動物の有性生殖では卵と精子の受精が起きます。ヒトの卵は動物の卵としてはかなり小さめですが、それでも直径が0.14mmあります。一方、精子はべん毛(水中を泳ぐための尾)を含めても0.06mmしかありません。右図はヒトの卵と精子の大きさを比べた模式図で、写真はヒトの精子です。卵と精子は大きさも形もずいぶん違います。それぞれの役割を考えてみよう。 ヒトの卵と精子の大きさ比較 ヒトの精子

 有性生殖によって、効率よく数多くの子を残すためには、
次の2つのことが必要になります。  
  
1 子をふやすために、なるべく多くの生殖細胞をつくる。
 
 2 確実に育つように、生殖細胞に栄養分を多くためる。


 大きい生殖細胞は数多くつくることができません。1を達成
するには、生殖細胞をなるべく小さくする必要があります。
 生殖細胞が小さいと栄養分を多量にたくわえることができません。2を達成するには、生殖細胞をなるべく大きくする必要があります。
 
 この相反する目的をともに達成するため、卵と精子による受精が行われていると考えられています。1のために小さな精子が、2のために大きな卵がつくられているのです。 


・受精後に確実に発生を進ませるために栄養分を多量に蓄えているので大きい。
・精子に比べるとつくられる数は、はるかに少ない。
・べん毛を持たず、運動できない。
精子

・つくられる数は非常に多い。
・べん毛を持ち、小さく身軽なので、高い運動力を持つ。泳いで卵に到達する。
・非常に小さく、細胞質の大部分を失っている。栄養分はほとんど持っていない。
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