■ 火山の形と噴火
  1 火山  

富士山(高さ3776m)

昨夜、地震があり、この日の正午ごろ雷が鳴った。家を出るとき、雪のように白い灰が降ってきた。
西南の方を見ると、黒い雲がわき起こり、雷がしきりに光っていた。
城に着くと、白い灰が地をおおい、草木もみな白くなっていた。
日中もたいへん暗いので、明かりをつけなければならなかった。
宝永噴火のようす。 新井白石の「折たく柴の記」より作成

火山の恩恵には、美しい景観や温泉、地熱、肥沃な土壌、鉱物資源などがあります。一方、火山噴火は人の命や道路、建物などに大きな被害を与えることもあります。火山による恩恵と災害はペアになっていることを忘れてはいけません。
歴史に残された富士山の噴火や噴煙の記録は、万葉集や竹取物語、更級日記などにみることができます。300年前の1707年(宝永4年)、富士山は大噴火を起こしました。この噴火の跡が宝永火口です。上の文章は、その時の江戸のようすを伝えています。マウスカーソルを写真に置くと宝永火口を表示します。