百人一首の歌の中には,地名が詠(よ)まれている歌があります。地図の番号の歌を声に出して読んでみましょう。
百人一首の歌の中には,地名が詠(よ)まれている歌があります。地図の番号の歌を声に出して読んでみましょう。
①立ち別れいなばの山のみねに生ふるまつとし聞かば今帰り来む
中納言行平(ちゅうなごんゆきひら)
あなたと別れて因幡(いなば)の国〔今の鳥取県〕に行っても,あの因幡山の松のようにわたしを待っていると聞いたらすぐに帰ってきましょう。
②田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺(たかね)に雪は降りつつ
山部赤人(やまべのあかひと)
田子の浦に出てながめてみると,富士山に雪が真っ白に降っていることだ。
③いにしへの奈良の都の八重桜(やへざくら)けふ九重ににほひぬるかな
伊勢大輔(いせのたいふ)
昔の奈良の都でさいていた八重桜が,今日はこの宮中(きゅうちゅう)で色美しくさいていることだ。
④淡路島かよふ千鳥のなく声にいく夜寝(ね)ざめぬ須磨(すま)の関守
源 兼昌(みなもとのかねまさ)
淡路島から渡ってくる千鳥の鳴く声に,この須磨の番人はいく夜,目をさましたことだろうか。