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芭蕉の世界 4 ヒント
俳句中で, 特に言い切る働きをする語を「切れ字」と言います。「切れ字」を用いることで, 主題を明確にしたり, 余情や感動を与える効果があります。代表的なものは,「や・ぞ・かな・けり」ですが, 切れ字がない句もあります。 |
切れ字の例 |
秋風や 藪(やぶ)も畠(はたけ)も 不破(ふは)の関 芭蕉 「野ざらし紀行」
不破の関は荒れ果てて, 目に入るのは秋風の吹く藪と畠ばかりだよ。
秋深き 隣は何を する人ぞ 芭蕉 「笈(おい)日記」
晩秋の旅の宿りの寂しさに, 隣家の人は何をしているのか, しみじみ思いやることよ。
おもしろうて やがて悲しき 鵜舟(うぶね)かな 芭蕉 「曠(あら)野」
初めはおもしろいと思った鵜飼いも, やがて悲しく思われてきたことだ。
枯れ枝に 烏(からす)のとまりけり 秋の暮れ 芭蕉 「曠野」
晩秋の葉が落ちた木の枝に烏がとまっていることよ。