あすなろ学習室国語の部屋古典の部屋(中学校)>徒然草


徒然草(つれづれぐさ)2 答え・解説

@ ウ

A イ

【現代語訳】

 丹波に出雲と言う所がある。そこに出雲大社の(神霊)を分け移して,立派に(社殿)を造った。しだのなにがしとか言う者の支配する所なので, (そのしだのなにがしが)秋のころ,聖海上人や他にもたくさんの人を誘って,
 「さあ,いっしょにいらっしゃい。出雲神社を拝みに。ぼたもちをご馳走しましょう。」
と言って, 一同をつれて行ったところ,それぞれ(神社を)拝んで,非常に信心を強くした。その神社の前の獅子と狛犬が,背中あわせに後ろ向きに立っていたので,上人はたいそう感心して,
 「ああ,結構なことだ。この獅子の立ち方は,とてもめずらしい。深いいわれがあろう。」
と涙ぐんで,
 「なんと皆さん,こんなにすばらしいことを御覧になって,不思議とお思いになりませんか。ひどいこ とです。」
と言うと,皆,不思議がって,
 「本当に他とは違っているなあ。都のみやげ話にしよう。」
などと言うので,上人はさらにいわれを知りたがって,相当の年配で,物を心得ていそうな顔をしている神官を呼んで,
 「この神社の獅子の立てられ方は,きっと言い伝えがあることでしょう。少々お聞きしたいものです。」と言ったところ,
「それなんですよ。いたずらな子どもたちがいたしましたことで,けしからぬことです。」
と言って,(獅子の)そばに寄って,置き直して行ってしまったので,上人の感涙は無駄なことになってしまった。