日本国憲法下のもとで生まれた参議院では、作家や有識者を中心とする大きな会派があり、衆議院のように政党の立場にとらわれず、議員一人一人の良心や信念にもとづく自由な議論が行われていました。このことをさして参議院のことを「良識の府」と呼んだのです。

ところが、その後、参議院の選挙制度に比例代表制度が導入されたこともあって、参議院も政党化が進みました。そのため、衆議院と参議院のちがいが薄れてしまい、参議院の存在意義が問われることもあります。

しかし、参議院は、衆議院とは異なる時期に異なる方法で選出された議員によって成り立っており、このことは、より多数の国民の意見を反映できると考えられます。また、衆議院を通過した法案を参議院でもう一度審議する機会があることで、(「衆議院の優越」があるとはいえ)衆議院の行き過ぎをおさえることができます。

参議院は解散がなく任期も6年と長いため、長期的な視野で審議・調査ができるという利点もあります。このような利点を生かし、国民の立場に立った議論をすれば、参議院の存在意義はさらに高まることでしょう。