モンシロチョウのしいくとかんさつ
■ なぜだろう?とおもったら

 モンシロチョウQ&A

うまれたばかりのよう虫は、どうしてたまごのからを食べるのですか?

たまごから出てきたよう虫は、だれから教わることもなく、まず自分のからを食べ始めます。たまごのからは、タンパク質という体をつくる大切なえいよう分でできています。おそらく、この大切なタンパク質を取り入れるためにこのようなことをすると考えられます。

よう虫はどうして脱皮だっぴをするのですか?

よう虫は、からだの中にほねがありません。そのかわり、からだのそとがわの皮がかたく、この皮がからだを支えています。この皮はのびることができないため、からだが成長するときゅうくつになってきます。すると、よう虫はじっとして動かなくなり、うちがわに新しい皮を作ります。その皮ができあがるときゅうくつな皮を脱ぎ捨てます。これが脱皮だっぴです。脱皮した皮はすぐに食べてしまいます。

モンシロチョウは何回脱皮だっぴをするのですか?

ふつうは4回脱皮します。生まれたばかりのよう虫を1れいよう虫といい、1回脱皮すると2れいよう虫になります。さなぎになる前のよう虫は、4回脱皮をしているのでれいよう虫といういい方をします。

大きくなったよう虫のせなかがわに黒いつぶのようなものが2つ見えますが、これは何ですか?

黒いつぶのようなものがあるのはオスだけです。これは精巣せいそうという器官きかんです。

よう虫に寄生きせいするアオムシコマユバチはどのようにしてよう虫を見つけるのですか?

よう虫がキャベツの葉をかじると、キャベツの葉から「におい物質ぶっしつ」が出ます。この「におい物質」とよう虫の出す唾液だえきのまじった”におい”をアオムシコマユバチが感じとり、よう虫のいるところを見つけているようです。

さなぎの中では何がおきているのですか?

さなぎのからだのなかでは、せい虫のからだつくりがおこなわれています。よう虫のからだがとけるように分解ぶんかいし、その養分ようぶん利用りようしてせい虫のからだが作られます。この間、さなぎは動くことができないので、まわりと同じような色になり、小鳥たちに見つからないようにしています。

さなぎからせい虫が羽化うかするタイミングはわかるのですか?

せい虫のからだつくりは、ゆっくりおこなわれますので、じっくりとかんさつすることがたいせつです。さなぎの時期の中ごろになると、羽やのようすがそとがわの皮から見ることができます。羽化の1日前には、羽のもようがうすくあらわれ、半日前には羽の黒いもんがはっきりとわかるようになります。よこからかんさつした方がわかりやすいです。

羽化うかをするとき、どのようなしくみで羽がびるのですか?

さなぎから出てきたせい虫の羽は、やわらかでちぢんでいますが、腹部ふくぶにある体液たいえきを羽の中に押し出すことで羽を伸ばします。この体液は羽にある”すじ”のようなところ翅脈しみゃくを通ります。大きく広がった羽はまだやわらかく、かわいて飛べるようになるために1時間ほどかかります。また、羽が乾かないうちに落ちてしまったり、伸ばしている羽に何かがぶつかったりすると、羽がじゅうぶんに伸びず、ちぢんだままかたまってしまいます。

何時ごろ羽化うかするのか決まっているのですか?

明け方に羽化することが多いです。これは、羽化をしている間はてきから逃げることができないため、なるべく敵に見つかりにくい時間に羽化していると考えられます。

モンシロチョウ(せい虫)は春~初夏しかいないのですか?

センターのある掛川市では、3月の中ごろから11月ごろまでせい虫が飛んでいます。しかし、たくさんのモンシロチョウが飛んでいるのは4月~6月頃です。モンシロチョウは暑さに弱く、また5月以降いこうはアオムシコマユバチに寄生されるものが多くなるため、数がへってしまいます。

冬の間、モンシロチョウはどうしているのですか?

モンシロチョウはさなぎで冬を過ごします。たまごから出てきたよう虫が成長してせい虫になり、そのせい虫がたまごを産む、ということをくり返しおこなうことで、いのちをつなげています。春から秋にかけて6~7回もこれをくり返し、気温の低い冬の間はさなぎのすがたでじっとしているのです。