午後の授業をしていたら、急にからだが前後にゆれてきました。
なんだろう、おかしいなと思ったときには、もう「ガタガタガタ」と大きくゆれだしてきて。
ゆれている時間は1分もなかったですが、その間がとても長く非常にこわかった。
5年生の生徒はあまりにも急なできごとに声も出ません。真っ青な顔で私の方を見ています。
地震の時は「机の下に入ればよい」ということを思い出し、「机の下に入りなさい」と命じたのです。
  
・・・やっとゆれもおさまり、生徒と一しょに外に避難しました。
外にいた人たちは立ってはいられず、みなしゃがむか、はっていたそうです。
東側にあった農家の物置小屋もつぶれてぺしゃんこになっていました。
 
「昭和19年東南海地震の記録」より
火山と地震>地震のゆれ (1/21)
1 地震のゆれ

1944年(昭和19年)12月7日13時35分、紀伊半島沖を震源とするマグニチュード7.9の地震「東南海地震」が発生し、太田川や菊川流域をはじめとする県西部地域で大きな被害がありました。上の文章は、小学校の教師になって2年目の先生が体験したその時のようすです。立っていられない強いゆれがおよそ1分間続いたことがわかります。