故事成語に親しもう 4
むかし,中国に役人になるために都にやってきた詩人がいました。その人は,
「鳥は宿る池中の樹(き),僧(そう)は推(お)す月下の門」
という詩を思いつきました。しかし,「推(お)す」と「敲(たた)く」のどちらの
ほうがよいかなやんでしまいました。なやみながら歩いていたのでそのうちに,都の
高官(かん)の行列にぶつかり,その詩人はつかまってしまいました。
高官の前に連れて行かれた詩人がぶつかってしまったわけを話すと,詩にくわしい
高官は,詩人をゆるしただけでなく,「敲くのほうがよい」と助言までしてくれたそ
うです。
*高官とは、国の役人の中で位(くらい)の高い人のことです。