美しい日本語の世界3 解説

【現代語訳】

天地が分かれた昔から、神々(こうごう)しく、高
く貴い、駿河(するが)の国にある富士山を振り仰
いで見ると、(その荘厳さに)渡っていく日の光も
隠れ、照っている月の光も見えず、白雲も進むのを
ためらってしまう(ようだ)。いつでも雪が降りつ
もっている、語り継ぎ、言い継いでいこう、富士の
山のすばらしさを。


  反歌
 
 田子の浦を通って ながめの良い所に出てみると 真っ白に 富士の高嶺に 雪が降っていることよ


 *田子の浦・・・現在の興津から由比に至る海岸
これは長歌(ちょうか)と言われる歌の形式だよ。 反歌(はんか)には、長歌のだいたいの意味を示したり、 補足したりする役割があるんだよ。

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