あすなろ学習室国語の部屋古典の部屋(中学校)>徒然草

徒然草(つれづれぐさ)3 答え・解説

@ ウ

A ア        *「枯れ尾花」とは「すすき」のことです。



【現代語訳】

  「山奥に,猫またと言うものがいて,人を食うそうだ。」
 と人が言ったところ,
  「山でなくても,このあたりでも,猫が年をとって,猫またになって,人の命をとる事はあることなのに。」
 と言う者がいたのを,何とかの阿弥陀仏とか言う,連歌をする法師で,行願寺のあたりにいた者が聞い
 て,ひとり歩きをするような者は,注意するべきだ,と思っていたちょうどそのころ,ある所で夜が更け
 るまで連歌をして,たったひとりで帰った時に,小川のほとりで,うわさに聞いていた猫またが,ねらい
 をはずさず足もとへつっと寄って来て,いきなり飛びつくと同時に,首のあたりに食いつこうとする。
 心も正気も失せて,防ごうとしても力もなく,足も立たず,小川にころび入って、
  「助けてくれ,猫まただ,ようよう。」
 と叫ぶので, (近所の)家々から,(人々が)たいまつをともして走り寄ってきて見ると,この辺で
 顔みしりの僧である。
  「これはどうしたことか。」
 と言って,川の中から抱き起こしたところ,連歌の賞品として得た扇・小箱など懐に持っていた物も
 水につかってしまていた。九死に一生を得たという様子で,はうようにして家に入ってしまった。
  (あとからわかったことだが)これは,飼っていた犬が,暗かったが飼い主がわかって,飛びついた
 ということだったのだそうだ。




鳥山石燕(とりやませきえん)
「図画百鬼夜行」猫また