次の文章は,「枕草子」第三十四段の前半部分です。①~③にはそれぞれ花の名前が入りますが,どの花があてはまるか,下から選びましょう。
木の花は, 濃きも淡きも紅梅。 【①】は,花びら大きに,葉の色濃きが,枝細くて咲きたる。 【②】は,しなひ長く,色濃く咲きたる,いとめでたし。 四月の晦つごもり,五月の朔ついたちのころほひ,【③】の,葉の濃く青きに,花のいと白う咲きたるが,雨うち降りたる早朝つとめてなどは,世になう心あるさまに,をかし。花のなかより,黄金の玉かと見えて,いみじうあざやかに見えたるなど,朝露に濡ぬれたる朝ぼらけの桜に劣らず,郭公ほととぎすのよすがとさへ思へばにや,なほさらに,いふべうもあらず。。
【口語訳】
木の花では, (色が)濃くても淡くても紅梅(がよい)。 桜は,花びらが大きく,葉の色が濃いものが,細い枝に咲いているの(がよい)。 藤の花は,花房が長くて,色濃く咲いているのが,とてもすばらしい。 四月の終わり,五月の初めの頃に,橘の,葉が色濃く青い上に,花がとても白く咲いているのに,雨が少し降った早朝などは,いかにも趣があって美しい。花の間から(去年の実が)黄金の玉かと思うばかり,とてもあざやかに見えているのは,朝露に濡れた夜明けの桜に劣っていないし,郭公ゆかりの木だと思うからだろうか,さらに言い表しようもない(ほどすばらしい)。
後半にはこんな花が出てくるよ。清少納言はどんなふうにかんじているのだろう?
梨の花 桐の花 楝の木