あすなろ学習室国語の部屋表現の部屋(中学校)>擬人法と倒置法

           擬人法と倒置法 1

擬人法とは・・・

      素朴な琴
                八木重吉
   この明るさのなかへ
   ひとつの素朴な琴をおけば
   秋の美しさに耐えかね
   琴はしずかに鳴りいだすだろう

 この詩は,琴を人間にたとえて表現しています。琴にも心があり,秋の美しさに「耐えかね」て鳴りはじめるだろうというのです。
 このように,人間でないものを人間にたとえて表現する方法を「擬人法」といいます。



倒置法とは・・・

   君は知っているか
   全力で働いて頭の疲れたあとで飯を食う喜びを 
             千家 元麿(せんげ もとまろ)「飯」より
                     *表記を現代仮名遣いに改めてあります。   

 標準的な語順は,「君は全力で働いて頭の疲れたあとで飯を食う喜びを知っているか」ですが,この詩では,「君は知っているか」という問いかけを強調するために,「知っているか」と「全力で働いて頭の疲れたあとで飯を食う喜びを」の語順を逆にしています。
 このように,表現上の効果を上げるために,本来とは逆の語順にする表現方法を「倒置法」といいます。    

表現の部屋に戻る     次へ